漬物の歴史

読んでおいしい♪にっぽん漬物小話

漬物は“最古の食品”とされ、その起源は有史以前にさかのぼります。海に囲まれた日本にはその塩水を利用した塩漬けが古くからあったようですが、まさにこの海水漬けが「漬物の元祖」と言われます。材料は野菜だけでなく、木の実や獣の肉、魚などの保存法としてさまざまな国、さまざまな民族の中で生まれ伝承されてきました。漬け方や味、食べ方などにその地方の風土や習慣が反映され、まさに文化を象徴する食べ物と言えます。

天平年間の木簡(文書が書かれた、幅2cm長さ20cmくらいの薄い木札)に、瓜や青菜の塩漬けが登場しています。「加須津毛(かすづけ)」「醤津毛(ひしおづけ)」などと墨文字で記されているとか。平安時代は朝廷の貴族たちも、酢と酒粕を混ぜた酢粕漬け、米麹の甘漬け、大豆や米で漬けたたくあんの原形とされる須須保利(すすほり)をはじめワラビ、ナズナ、セリ、いたどり、あわ、とうがん、ほおずきの茎など、バラエティ豊かな漬物を楽しんでいたことが窺えます。

「香の物」と呼ばれるようになったのは、漬物が発酵により香りが高く味もよくなった室町時代から。八代将軍義政の時代、銀閣や東求堂をサロンのようにして錚々たる文化人が集い、東山に代表される華やかな文化が開花しました。この頃の武家におけるごちそうは、のちの会席の原形とされる「本膳料理」で、肉や魚もふんだんに取り入れた豪華なもの。その中にあって、口中を清めさっぱりさせる香の物はとても大切な役割を果たしました。

「聞香に由来する」というのは、漬物が香の物と呼ばれた理由の諸説のひとつ。聞香とは、香道において何種類もの香を“聞き分ける”ことを指します。種類を正しく言い当てるためには、途中で鼻の疲れを取る必要があり、香の物はそのリセットの役割を担っていたとか。

一方茶の湯の世界でも、香の物は重要な存在です。修行僧が懐に石を抱いたことから名付けられ、空腹をしのぐ程度の簡素な食事を意味する懐石料理では、最後の1品に香の物が供されます。これには湯桶と漬物で椀をすすぐという目的がありました。

漬物と言えば京都が有名ですが、それは京都盆地が海から遠いため、魚介類に代わる食料として野菜づくりが発達したこと、そして保存食を工夫せざるをえない状況でもあったことが原点となっています。それが京の“お勝手”を舞台に、祖母から母、母から娘へと何代にも渡って伝えられて今に至っているのですね。

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